「坐禅に興味はあるけれど、近くにお寺がない」「忙しくて通えない」「まずは自宅で試してみたい」。そんな方におすすめなのが、ZoomやYouTube、さらにはメタバース(cluster)で参加できるオンライン坐禅会です。コロナ禍をきっかけに多くの寺院がオンライン坐禅を始め、現在も定期開催が続いています。最近ではアバターで本堂に集うバーチャル坐禅会も登場し、参加スタイルはますます多様になっています。この記事では、まずオンライン坐禅会とは何か・対面との違い・メリットとデメリット・基本的なやり方・選び方を整理したうえで、毎日・毎週・毎月の定期開催別に、自宅から参加できるオンライン坐禅会を厳選して13件紹介します。
オンライン坐禅会とは?対面の坐禅会との違い
オンライン坐禅会とは、ZoomやYouTube Live、メタバース空間などを通じて、自宅にいながら僧侶の指導のもとで坐禅を行う会のことです。お寺に足を運ばなくても、パソコンやスマートフォンがあれば全国・世界中どこからでも参加できます。多くは無料で、予約不要のものも少なくありません。
坐禅そのもの——姿勢を調え、呼吸を調え、心を調えて静かに坐るという営み——は、対面でもオンラインでも変わりません。違いは「場の共有のしかた」にあります。対面と比べたときの主な相違点を整理すると、次のようになります。
- 場所:対面はお寺の本堂・坐禅堂へ出向く/オンラインは自宅などどこからでも参加できる
- 指導のかたち:対面は僧侶が姿勢を直に見て整えてくれる/オンラインは画面越しの説明が中心で、警策(けいさく)や直接の姿勢矯正は基本的にない
- 費用:対面はお布施・志納が一般的/オンラインは無料の会が多い
- 参加のハードル:対面は服装・作法・道場の緊張感がある/オンラインはカメラOFF・普段着でもよい会が多く、途中退席が自由なところもある
- 広がり:対面はその地域の人が中心/オンラインは海外在住者や遠方の人とも一緒に坐れる
お寺の坐禅堂に身を置く緊張感や、警策の一打で背筋が伸びる感覚は、やはり対面ならではのものです。一方でオンラインには、その手軽さゆえに「毎日の習慣として続けやすい」という大きな利点があります。まずはオンラインで坐る習慣をつくり、慣れてきたら対面の坐禅会にも足を運んでみる——そうした併用が、無理なく坐禅を生活に取り入れる現実的な道筋になります。対面の坐禅会そのものについては坐禅会の選び方ガイドで、両者の作法の違いは曹洞宗と臨済宗の違いで詳しく解説しています。
オンライン坐禅会のメリット・デメリット
参加する会を選ぶ前に、オンライン坐禅会ならではの利点と、対面と比べたときの弱点を押さえておきましょう。両方を理解しておくと、自分に合った参加のしかたが見えてきます。
オンライン坐禅会のメリット
- 移動が不要:自宅から参加できるので、往復の時間も交通費もかかりません。朝の坐禅も、起きてすぐに坐れます。
- 無料の会が多い:この記事で紹介する13件の多くが参加費無料です。費用を気にせず気軽に試せます。
- 習慣化しやすい:毎日・毎週と定期開催されている会が多く、生活リズムに組み込みやすいのが特徴です。移動の手間がないぶん、続けるハードルが下がります。
- 顔出し不要の会が多い:カメラOFFで参加できる会が多く、人前に出るのが苦手な方でも安心です。
- 全国・世界中から参加できる:近くにお寺がない地域の方や海外在住の方も、名刹・古刹の坐禅会に参加できます。日英バイリンガル対応の会もあります。
- 初心者でも始めやすい:多くの会が坐禅前に丁寧な説明を行い、椅子坐禅も認めています。作法が分からなくても参加できます。
オンライン坐禅会のデメリット
- 姿勢の直接指導・警策が受けにくい:画面越しでは僧侶が姿勢を細かく直すのが難しく、眠気や雑念を戒める警策(けいさく)もありません。姿勢のクセに自分で気づきにくい面があります。
- 通信環境に左右される:回線が不安定だと映像や音声が途切れることがあります。静かに集中したい坐禅では、通信トラブルが妨げになる場合もあります。
- 場の緊張感が弱まりやすい:自宅は気が緩みやすく、坐禅堂のような張りつめた空気は生まれにくいものです。スマートフォンの通知などにも中断されがちです。
- 自室を静かに保つ工夫が要る:家族の生活音や生活空間の雑然さが気になることもあります。参加前に環境を整える必要があります。
これらのデメリットは、工夫でかなり補えます。通知をオフにする、坐る場所を決めておく、ときどき対面の坐禅会に参加して姿勢を見てもらう——といった対策で、オンラインでも十分に深い坐禅が可能です。自宅でできる坐禅のやり方もあわせて参考にしてください。
毎日開催のオンライン坐禅会
毎日の習慣として坐禅を取り入れたい方におすすめの、年中無休・毎日開催のオンライン坐禅会です。
臨済宗青年僧の会 オンライン坐禅会
| 宗派 | 臨済宗(各派合同) |
|---|---|
| 開催頻度 | 毎日2回(朝6:00 / 夜21:00) |
| 所要時間 | 約1時間(坐禅30分+法話10〜15分+読経) |
| 使用ツール | Zoom(パスコード:5555) |
| 参加費 | 無料 |
| 予約 | 不要(カレンダーからURLクリックで参加) |
| 公式サイト | 臨済宗青年僧の会 オンライン坐禅会 |
約30名の僧侶が日替わりで担当する、国内最大規模のオンライン坐禅会です。朝と夜の1日2回開催されているので、ライフスタイルに合わせて参加できます。子供坐禅会(坐禅15分×2+法話)も開催。カメラOFFでの参加も可能で、定員100名を超えた場合はYouTubeでの生配信に切り替わります。
日常実践の禅 リモート自宅座禅会
| 開催頻度 | 年中無休・毎日2回(朝5:00〜5:45 / 夜21:00〜21:30) |
|---|---|
| 使用ツール | Zoom / YouTube Live |
| 参加費 | 無料 |
| 公式サイト | 日常実践の禅 オンライン座禅会 |
朝5時から参加できる、早朝坐禅派に最適なオンライン坐禅会です。ZoomとYouTube Liveの両方で配信されており、どちらからでも参加できます。
毎週開催のオンライン坐禅会
週に1回〜数回のペースで定期開催されている坐禅会です。曜日と時間が決まっているので、生活リズムに組み込みやすいのが魅力です。
耕雲院2.0 暁天(KYOTEN)・夜坐(YAZA)
| 宗派 | 曹洞宗 |
|---|---|
| 開催頻度 | 週3回 |
| スケジュール | 日曜 6:00〜7:00「暁天」/ 月曜・金曜 21:00〜21:20「夜坐」 |
| 使用ツール | Zoom |
| 参加費 | 無料 |
| 予約 | 公式サイトから申込み |
| 公式サイト | 耕雲院2.0 公式サイト |
山梨県都留市の曹洞宗寺院・耕雲院の河口智賢副住職が主宰するオンライン坐禅会です。日曜朝の「暁天」は坐禅と法話がセットになった約1時間の充実したプログラム(挨拶5分→坐禅説明5分→坐禅15〜20分→読経5分→お話し10分)。月曜・金曜の「夜坐」は20分の短い坐禅で、仕事帰りにも気軽に参加できます。初心者歓迎、顔出し不要。希望者にはオンライン茶話会もあります。
龍雲寺「洗心坐禅会」オンライン
| 宗派 | 臨済宗妙心寺派 |
|---|---|
| 開催頻度 | 毎週日曜 |
| 時間 | 7:30〜(約1時間) |
| 使用ツール | Zoom + YouTube同時配信 |
| 参加費 | 無料 |
| 予約 | 不要(遅刻・早退可) |
| 公式サイト | 龍雲寺 洗心坐禅会 |
東京都世田谷区の龍雲寺(細川晋輔住職)が40年以上続けてきた坐禅会のオンライン版です。現在は本堂での対面とオンラインのハイブリッド開催で、1日の参加者が計500人を超える大規模な坐禅会です。25分の坐禅を2回行い、間に住職のお話があります。ZoomとYouTubeの両方で配信されています。
大安禅寺 オンライン坐禅会
| 宗派 | 臨済宗妙心寺派 |
|---|---|
| 所在地 | 福井県福井市 |
| 開催頻度 | 毎週日曜 |
| 時間 | 6:30〜 |
| 使用ツール | Zoom |
| 公式サイト | 萬松山 大安禅寺 |
福井県の古刹・大安禅寺が毎週日曜の早朝に開催しているオンライン坐禅会です。
月1〜2回開催のオンライン坐禅会
月に1〜2回のペースで開催される坐禅会です。まずは月1回から始めてみたい方や、特色ある坐禅会に参加してみたい方に向いています。
東光禅寺「白山坐会」オンライン
| 宗派 | 臨済宗建長寺派 |
|---|---|
| 所在地 | 横浜市金沢区 |
| 開催頻度 | 毎月第2火曜 |
| 時間 | 21:00〜22:00(待機室20:50〜) |
| 内容 | 坐禅15分×2回 + 休憩・お話 + 読経 |
| 使用ツール | Zoom |
| 参加費 | 無料(PayPal寄付可) |
| 予約 | Googleフォームから申込み |
| 公式サイト | 東光禅寺「白山坐会」オンライン |
創建800年の歴史を持つ東光禅寺の本堂から配信されるオンライン坐禅会です。最大の特徴は日本語・英語のバイリンガル対応で、毎回海外からも多くの方が参加しています。音声のみの参加も可能で、初心者向けの坐禅ガイド動画や資料も提供されています。椅子での坐禅もOK、途中参加・退席も自由です。
全国曹洞宗青年会「穏坐(ONZA)」
| 宗派 | 曹洞宗 |
|---|---|
| 開催頻度 | 月1回(日曜) |
| 時間 | 21:00〜21:50 |
| 使用ツール | Zoom |
| 参加費 | 無料 |
| 公式サイト | 全国曹洞宗青年会 オンライン坐禅会 |
全国曹洞宗青年会が主催するオンライン坐禅会「穏坐(ONZA)」。毎回法話のテーマが設定されており、坐禅だけでなく禅の教えにも触れることができます。質疑応答の時間もあり、初心者でも気軽に参加できます。
円覚寺 Zoomオンライン坐禅会
| 宗派 | 臨済宗(大本山円覚寺) |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県鎌倉市 |
| 担当 | 居士林主事 内田一道師 |
| 開催頻度 | 週複数回(メール申込後、毎週月曜に1週間分のURL送付) |
| 使用ツール | Zoom |
| 参加費 | 1,000円 |
| 予約 | メールで事前申込み必須 |
| 公式サイト | 円覚寺 オンライン坐禅会のご案内 |
鎌倉の大本山・円覚寺によるオンライン坐禅会です。メールで事前申込みを行うと、毎週月曜に1週間分の参加URLが送られてきます。全身を映して坐相を調えることが求められ、坐禅の時間が始まると途中入室は不可。本格的な坐禅を求める方に向いています。初心者向けの「はじめての坐禅」動画(YouTube)も用意されています。鎌倉には対面の坐禅会も多く、あわせて鎌倉の坐禅会ガイドもご覧ください。
PLUS 禅「ZOO坐禅」
| 宗派 | 曹洞宗(永平寺修行僧) |
|---|---|
| 開催頻度 | 月2回(日曜) |
| 時間 | 21:00〜22:00頃(待機室20:50〜) |
| 内容 | 坐禅10分×2回 + 禅語・法話 |
| 使用ツール | Zoom |
| 参加費 | 無料 |
| 予約 | 不要(Zoom直接参加) |
| 公式サイト | PLUS 禅 Zoom坐禅 |
福井県永平寺僧堂で修行を重ねた2人の和尚が交代で担当するオンライン坐禅会です。坐禅の時間は10分×2回と短めで、初心者にもハードルが低いのが特徴。坐禅の合間に禅語や法話、永平寺修行時代のお話も聞けます。カメラOFFでの参加も可能です。
東京禅センター オンライン坐禅会
| 宗派 | 臨済宗妙心寺派 |
|---|---|
| 開催頻度 | 定期開催(臨済宗青年僧の会と共同運営) |
| 使用ツール | Zoom |
| 参加費 | 無料 |
| 公式サイト | 東京禅センター オンライン坐禅会 |
臨済宗妙心寺派の東京禅センターが、臨済宗青年僧の会と共同で運営するオンライン坐禅会です。自宅のパソコンを通じて静かに座り、心と身体と呼吸を調える時間を提供しています。
IZCC(インターナショナルZENカルチュラルセンター)
| 宗派 | 曹洞宗 |
|---|---|
| 開催頻度 | 定期開催 |
| 時間 | 8:00〜 |
| 使用ツール | Zoom |
| 予約 | 問い合わせページから申込み |
| 公式サイト | IZCC オンライン坐禅会 |
曹洞宗系のインターナショナルZENカルチュラルセンターが開催するオンライン坐禅会。坐禅だけでなく「禅とマインドフルネス」や「十牛図」などテーマ別の勉強会も行われています。坐禅とマインドフルネスの関係を深く知りたい方は坐禅とマインドフルネスの違いもあわせてどうぞ。
オンライン坐禅(毎月第3土曜)
| 開催頻度 | 毎月第3土曜 |
|---|---|
| 時間 | 7:00〜8:30 |
| 使用ツール | Zoom |
| 公式サイト | オンライン坐禅 |
毎月第3土曜日の朝に開催されるオンライン坐禅会。初めての方にも坐り方を丁寧に説明してもらえます。椅子に座っての参加も可能です。
メタバースで参加できる坐禅会
VR・メタバース空間にアバターで集まり、お坊さんと一緒に坐る——そんな新しい形のオンライン坐禅会も登場しています。Zoomとはまた違った没入感があり、世界中から距離を問わず参加できるのが魅力です。
祥雲寺 バーチャル坐禅会(cluster)
| 宗派 | 曹洞宗 |
|---|---|
| 所在地 | 愛知県瀬戸市上品野町(祥雲寺) |
| 開催頻度 | 月1回(不定期) |
| 使用ツール | cluster(メタバース)※PC・スマートフォン・VR機器から参加可能 |
| 参加費 | 無料 |
| 予約 | 不要(開催日時はnote/Xで告知) |
| 公式サイト | 祥雲寺副住職のnote / X(旧Twitter)@shounji665 |
愛知県瀬戸市の曹洞宗寺院・祥雲寺の副住職、江川正司師が、メタバースプラットフォーム「cluster」内で開催するバーチャル坐禅会です。アバターの姿で集い、坐禅の説明(10分程度)→ 10分間の坐禅 → 法話 → 追加の坐禅、という流れで進行。初心者にも分かりやすい構成で、スマートフォン・タブレット・PC・Meta QuestなどのVR機器から参加できます。
「坐禅をするきっかけを気軽に届けること、坐禅の仲間をメタバースに作ること」を目的に活動されており、自宅にいながら全国・世界中の人と一緒に坐れる、これまでにない坐禅体験が可能です。2025年1月にはメタバース内に仲間と協力してオリジナルの寺院「バーチャル山 大縁寺(だいえんじ)」を建立し、バーチャル坐禅会の会場としても活用しています。開催日時はnoteやX(旧Twitter)で告知されるので、フォローして最新情報をチェックしましょう。
オンライン坐禅会の選び方
13件のオンライン坐禅会を紹介しましたが、自分に合った会を見つけるには、いくつかの判断軸で比べてみると迷いにくくなります。
選び方の5つの判断軸
- 参加費(無料か有料か):多くは無料ですが、円覚寺のように志納制(1,000円)の会もあります。まずは無料の会から試すと気軽です。
- 予約の要否:URLをクリックするだけで参加できる会と、事前申込みが必要な会があります。思い立ってすぐ坐りたいなら予約不要の会が便利です。
- 法話・禅語の有無:坐禅だけの会もあれば、坐禅のあとに法話や禅語の解説がつく会もあります。禅の教えにも触れたいなら法話つきを選びましょう。
- 質疑応答の有無:初心者は、疑問をその場で僧侶に聞ける会だと安心です。「穏坐(ONZA)」などは質疑応答の時間があります。
- 使用ツール(Zoom/YouTube/cluster):双方向でやり取りしたいならZoom、気軽に視聴だけならYouTube Live、没入感を楽しみたいならメタバースのclusterが向いています。
これらの軸で、紹介した坐禅会を一覧で比較できるよう整理しました。開催頻度・使用ツール・参加費・予約要否をまとめてあります。
| 坐禅会 | 開催頻度 | ツール | 参加費 | 予約 |
|---|---|---|---|---|
| 臨済宗青年僧の会 | 毎日2回 | Zoom/YouTube | 無料 | 不要 |
| 日常実践の禅 | 毎日2回 | Zoom/YouTube | 無料 | 不要 |
| 耕雲院2.0 | 週3回 | Zoom | 無料 | 要 |
| 龍雲寺「洗心坐禅会」 | 毎週日曜 | Zoom/YouTube | 無料 | 不要 |
| 大安禅寺 | 毎週日曜 | Zoom | 無料 | 要確認 |
| 東光禅寺「白山坐会」 | 毎月第2火曜 | Zoom | 無料 | 要 |
| 全国曹洞宗青年会「穏坐」 | 月1回 | Zoom | 無料 | 要確認 |
| 円覚寺 | 週複数回 | Zoom | 1,000円 | 要 |
| PLUS 禅「ZOO坐禅」 | 月2回 | Zoom | 無料 | 不要 |
| 東京禅センター | 定期開催 | Zoom | 無料 | 要確認 |
| IZCC | 定期開催 | Zoom | 要確認 | 要 |
| オンライン坐禅(第3土曜) | 毎月第3土曜 | Zoom | 要確認 | 要確認 |
| 祥雲寺 バーチャル坐禅会 | 月1回(不定期) | cluster | 無料 | 不要 |
※「要確認」は公式サイトでの確認をおすすめする項目です。スケジュールや参加費は変更される場合があるため、参加前に必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。
以下では、上の判断軸をふまえて目的別におすすめを整理します。
初心者におすすめ
- 耕雲院2.0:毎回10分の坐禅説明があり、初めての方でも安心。顔出し不要。
- 東光禅寺「白山坐会」:初心者向けガイド動画あり。椅子坐禅OK、途中退席も自由。
- PLUS 禅「ZOO坐禅」:坐禅10分×2回と短めで、ハードルが低い。
毎日の習慣にしたい方
- 臨済宗青年僧の会:朝6時と夜9時の毎日2回。予約不要で気軽。
- 日常実践の禅:朝5時から年中無休。ZoomとYouTube両対応。
本格的な坐禅を求める方
- 円覚寺:大本山の僧侶による指導。坐相を整えて本格的に坐る。
- 龍雲寺「洗心坐禅会」:40年の歴史、参加者500人超の大規模坐禅会。
英語対応を求める方
- 東光禅寺「白山坐会」:日英バイリンガル対応。海外からの参加者も多数。
海外での禅の広がりに関心がある方は海外で広がるZENもおすすめです。
新しい体験をしてみたい方
- 祥雲寺 バーチャル坐禅会(cluster):メタバース空間にアバターで集まる、これまでにない坐禅体験。VR機器がなくてもPC・スマホから参加可能。
オンライン坐禅の基本的なやり方(調身・調息・調心)
オンライン坐禅会では、坐る前に僧侶が姿勢や呼吸を説明してくれることがほとんどです。とはいえ、基本の流れをあらかじめ知っておくと、当日ずっと落ち着いて坐れます。坐禅の要諦は、古来「調身(ちょうしん)・調息(ちょうそく)・調心(ちょうしん)」の三つにまとめられてきました。身を調え、呼吸を調えれば、心はおのずと調う——この順序が大切です。
調身(姿勢を調える)
- 坐蒲(ざふ)やクッションを敷く:お尻の下に敷いて腰を少し高くすると、骨盤が立ち、背骨が自然に伸びます。専用の坐蒲がなくても、座布団を二つ折りにするなどで代用できます。
- 足を組む:あぐらの状態から片足を反対のももに乗せる半跏趺坐(はんかふざ)が基本です。難しければ普通のあぐらでも、椅子に腰かけてもかまいません。
- 背筋を伸ばす:頭を天から吊られているようにまっすぐ上へ。あごを軽く引き、肩の力を抜きます。
- 手は法界定印(ほっかいじょういん):右手の上に左手を重ね、両親指を軽く合わせて楕円をつくり、へその下あたりに置きます。
- 目は半眼:完全に閉じず、1メートルほど先の床に視線を落とします。眠気を防ぎ、意識を静かに保つためです。
調息(呼吸を調える)
呼吸は、鼻からゆっくりと。とくに吐く息を長く、細くすることを意識します。数を数える「数息観(すそくかん)」——息を吐きながら心の中で「ひとーつ」「ふたーつ」と十まで数え、また一に戻る——は、初心者が雑念に流されにくくなる古典的な方法です。呼吸を整える具体的なやり方は坐禅と呼吸法で詳しく解説しています。
調心(心を調える)
坐っていると、次々に考えごとが浮かんできます。それを無理に消そうとする必要はありません。浮かんだ思いに気づいたら、良い悪いと判断せず、そっと手放して呼吸へ意識を戻す——これを静かに繰り返します。雑念が湧くこと自体は失敗ではなく、それに気づいて戻ることこそが坐禅です。坐禅中の雑念との向き合い方もあわせて読むと、心が乱れても慌てずに坐り続けられます。
より詳しい手順は坐禅の始め方【完全ガイド】で、道具なし・自宅での坐り方は自宅でできる坐禅のやり方で解説しています。
坐禅で得られるもの・効果
坐禅は本来、何かの効果を得るための手段ではなく、ただ坐ること自体に意味があると説かれます。とはいえ、続けることで心身に変化を感じる人は少なくありません。近年は科学的な検証も進んでいます。
- ストレスの軽減:呼吸を深めて坐ることで副交感神経が優位になり、心が落ち着きやすくなると報告されています。
- 集中力・注意力の安定:呼吸に意識を戻す練習を重ねることで、注意を保つ力が養われると考えられています。
- 睡眠の質の向上:夜の坐禅で心身が静まり、寝つきがよくなったと感じる人もいます。
たとえばハーバード大学の研究では、8週間のマインドフルネス瞑想プログラムによって記憶や感情に関わる脳の領域に変化が見られたと報告されています。坐禅の効果を科学的な観点から詳しく知りたい方は坐禅の効果を科学で徹底解説をご覧ください。
なお、坐禅は医療行為ではありません。効果の感じ方には個人差があり、心身の不調の治療を目的とするものではありません。持病や心の不調がある方、坐っていて強い不安や気分の落ち込みを感じる場合は無理をせず、必要に応じて医師などの専門家に相談してください。足や腰に痛みがあるときも我慢せず、椅子坐禅に切り替えるなど、心地よく坐れる姿勢を選びましょう。
オンライン坐禅会に参加する前の準備
必要なもの
- パソコンまたはスマートフォン:Zoomアプリを事前にインストールしておきましょう。YouTube配信の会ならブラウザだけで視聴できます。
- 坐蒲・座布団またはクッション:お尻の下に敷いて、少し高さをつけると姿勢が安定します。専用の坐蒲がなくても、厚めのクッションや畳んだ座布団で代用できます。
- 静かな環境:できるだけ外部の音が少ない場所で参加しましょう。スマートフォンの通知はオフにしておくと集中できます。
- ゆったりした服装:足を組む場合は、締め付けの少ない服装がおすすめです。カメラOFFなら普段着で問題ありません。
参加時のマナー
- 坐禅中はマイクをミュートにしましょう。生活音が入るのを防げます。
- カメラのON/OFFは各坐禅会のルールに従いましょう。指導のために顔出しを求める会もあります。
- 録音・録画・スクリーンショットは原則禁止です。
- 開始時間の数分前には入室しておくと、落ち着いて始められます。予約制の会は事前申込みを忘れずに。
椅子に座っての参加や、正座での参加も多くの坐禅会で認められています。足が組めなくても大丈夫です。膝や足の痛みが気になる方は椅子でできる坐禅のやり方や坐禅で足が痛いときの対処法もあわせてご確認ください。坐禅の基本的なやり方を事前に確認しておくと、より安心して参加できるでしょう。
オンライン坐禅会でよくある質問(FAQ)
初心者でも参加して大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。この記事で紹介した多くの会は、坐禅の前に姿勢や呼吸の説明を丁寧に行っており、初めての方を歓迎しています。作法を完璧に覚える必要はありません。分からないことは、質疑応答のある会でその場で僧侶に尋ねることもできます。まずは坐禅の始め方に目を通しておくと安心です。
カメラ(顔出し)は必須ですか?
会によって異なります。臨済宗青年僧の会やPLUS 禅などはカメラOFFでの参加が可能で、人前に出るのが苦手な方でも気軽に参加できます。一方、円覚寺のように坐相(姿勢)を確認するため全身を映すことを求める会もあります。参加前に各会のルールを確認しましょう。
料金はかかりますか?
この記事で紹介した坐禅会の多くは無料です。円覚寺のように志納制(1,000円)の会や、寄付を受け付けている会もあります。まずは無料で予約不要の会から試してみるとよいでしょう。無料の坐禅会については無料・予約不要の坐禅会ガイドもあわせてご覧ください。
足が組めなくても参加できますか?
はい、参加できます。多くのオンライン坐禅会が椅子に座っての坐禅や正座を認めています。無理に足を組む必要はありません。膝や腰に不安がある方は、痛みを我慢せず椅子坐禅を選びましょう。姿勢がまっすぐであれば、坐る形にはこだわらなくて大丈夫です。
準備するものは何ですか?
パソコンまたはスマートフォン、坐蒲や代わりのクッション、静かな場所があれば始められます。Zoomを使う会は、アプリを事前にインストールしておくとスムーズです。専用の道具がなくても、畳んだ座布団などで代用できます。
どのくらいの時間がかかりますか?
坐禅そのものは10〜30分程度、法話や読経を含めると20分〜1時間ほどが目安です。PLUS 禅(坐禅10分×2回)や耕雲院の「夜坐」(20分)のように短い会もあれば、円覚寺や龍雲寺のように本格的に坐る会もあります。坐禅の時間の目安は坐禅は何分やればいい?で解説しています。
オンラインと対面、どちらがよいですか?
目的によります。手軽さと習慣化のしやすさを重視するならオンライン、姿勢を直接見てもらいたい・道場の張りつめた空気を体験したいなら対面が向いています。両方を併用し、普段はオンラインで坐り、ときどき対面の坐禅会に参加して姿勢を確認する、というスタイルもおすすめです。
まとめ
オンライン坐禅会は、場所を選ばず、初心者でも気軽に坐禅を体験できる貴重な機会です。毎日開催のものから月1回のもの、メタバースで集うものまで、さまざまな選択肢があります。まずは無料で予約不要の坐禅会から試してみて、自分に合ったスタイルを見つけてみてください。移動の手間がないぶん、毎日の習慣として続けやすいのがオンラインの大きな魅力です。
なお、各坐禅会の最新スケジュールは変更される場合があります。参加前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
オンラインで坐る習慣がついたら、ぜひ一度、お寺の坐禅堂にも足を運んでみてください。画面越しでは伝わりきらない、坐禅堂の静けさと張りつめた空気は、対面ならではの体験です。対面の坐禅会をお探しの方は、全国坐禅会マップで、お住まいの地域や訪れたい土地の坐禅会を検索できます。坐禅会の選び方ガイドもあわせてご覧ください。




